【徹底解説】知らないと損する!不動産節税ガイド【まとめ】

土地建物は、その額も大きく、購入や相続の時に多額の税金を納めることになりがちです。しかし、特別マイホーム購入に関しては税金を軽減できる制度や、土地建物を引き継ぐ人に配慮して税金を抑える特例など多数設けられています。

そのために、これらの税制を賢く活用するために、その仕組みを知り事前に対策してこくことが欠かせません。

本記事では、マイホーム購入をはじめとした土地建物に関する所得税や、不動産取得税、固定資産税から、土地建物を引き継ぐときの相続税まで、その課税の仕組みや獲得例制度について、わかりやすく解説しました。

 

住宅ローン控除【最大控除額600万円】

〇住宅ローンを使って消費税率10%の住宅取得等をした場合は、所得税等から13年間で最大約600万円を控除(一般住宅の場合は約480万円)

〇消費税率2%引上げ分を軽減する特例が令和2年中適用可能

住宅ローンを使って住宅の新築、取得、増改築等をして、令和3年12月31日までに居住を開始した場合は、居住開始以後10年間(又は13年間)の各年分の所得税において、住宅ローン控除の適用を受けることができます。控除額は、居住時期、住宅にかかる消費税率及び新築等した居住用家屋の区分に応じて次のとおりとなります。

①一般住宅(②以外)の新築、取得、増改築等

居住年月

住宅の
消費税等

控除額の計算(年間)
[A住宅ローン等の年末残高、
B建物購入価格等]

年間最大控除額

控除期間

最大控除額
(控除期間合計)

令和
元年10月

令和
2年12月

8%

A(最大4,000万円)×1%

40万円

10年間

400万円

特例10%

(1~10年目)上記と同じ

(1~10年目)
40万円

10年間

約480万円

(11~13年目)
次のいずれか少ない金額
A(最大4,000万円)×1%
B(最大4,000万円)×2%÷

(11~
13年目)
26.66万円

3年間

令和
3年1月

令和
3年12月

8%
10%

A(最大4,000万円)×1%

40万円

10年間

400万円

②認定住宅(認定長期優良住宅又は認定低炭素住宅)の新築等

居住年月

住宅の
消費税等

控除額の計算(年間)
[A住宅ローン等の年末残高、
B建物購入価格等]

年間最大控除額

控除期間

最大控除額
(控除期間合計)

令和
元年10月

令和
2年12月

8%

A(最大5,000万円)×1%

50万円

10年間

500万円

特例10%

(1~10年目)上記と同じ

(1~10年目)
50万円

10年間

約600万円

(11~13年目)
次のいずれか少ない金額
A(最大5,000万円)×1%
B(最大5,000万円)×2%÷

(11~
13年目)
33.33万円

3年間

令和
3年1月

令和
3年12月

8%
10%

A(最大5,000万円)×1%

50万円

10年間

500万円

(注1)個人間売買で消費税が課されない場合等は、次のとおりとなります。
一般住宅:住宅ローン等の年末残高2,000万円、年間最大控除額20万円、合計最大控除額200万円
認定住宅:住宅ローン等の年末残高3,000万円、年間最大控除額30万円、合計最大控除額300万円
(注2)住宅ローン控除可能額のうち所得税から控除しきれなかった残額がある場合は、翌年度分の住民税において、その残額相当額が減額されます。ただし、上限は所得税の課税総所得金額等×7%[最高13.65万円]、(注1)の場合は課税総所得金額等×5%[最大9.75万円]とされます。

消費税率10%・令和2年12月までは控除期間を3年延長

令和元年10月からの消費税率2%引上げ分の負担を軽減するため、控除期間を3年延長し、「建物購入価格等(税別)の2%÷3」又は「住宅ローン等の年末残高×1%」のいずれか少ない金額を控除する特例(前ページ表の特例 )が、令和2年12月31日までに居住した場合に適用できます。
(注)建物購入価格等とは、住宅の取得等の対価の額又は費用の額から消費税額を控除した額(併用住宅は自宅部分の床面積割合で計算)とされます(土地等にかかる購入価格は含まれません)。

主な適用要件は?

 

  1. 適用者
    ・取得等した日から6か月以内に居住を開始し、原則として引き続き控除適用年の12月31日まで居住していること
    ・控除適用年の合計所得金額が3,000万円以下であること
  2. 住宅ローン
    ・住宅の取得等にかかるローンであること(利息対応部分の金額は除く)
    ・返済期間が10年以上であること
  3. マイホーム
    ・床面積50㎡以上であること
    ・床面積の1/2以上が適用者の居住用であること
  4. 敷地
    土地等にかかる住宅ローン等も、次のものは控除対象になります。
    ・家屋と共に取得した土地等にかかるもの
    ・家屋の新築前2年以内に取得した一定の土地にかかるもの
    ・宅地建物取引業者との宅地分譲契約(契約締結後3か月以内の家屋建築条件付に限る)により取得した土地等にかかるもの

 

認定住宅の特別控除【最大控除額65万円】

〇長期優良住宅を新築した場合は、所得税から最大65万円を控除

〇住宅ローン控除とは選択適用

認定住宅(認定長期優良住宅又は認定低炭素住宅)の新築又は取得をして、令和3年12月31日までに居住を開始した場合には、認定住宅に係る標準的な性能強化費用相当額(45,300円/㎡)(注)の10%を、その年分の所得税から控除することができます。なお、その年分の所得税から控除しきれない金額がある場合には、翌年分の所得税から控除できます。この認定住宅の特別控除と住宅ローン控除は、いずれかの選択費用となります。

対象住宅

居住年月

標準的な性能強化費用
相当額の限度額

控除率

最大控除額
(1年分又は2年分)

認定長期優良住宅
認定低炭素住宅

~令和3年12月

650万円

10%

65万円

(注)標準的な性能強化費用相当額とは、認定住宅の基準に適合するために必要な標準的費用(かかり増し費用)を基に定められた金額(45,300円/㎡)に、その認定住宅の床面積を乗じて計算した金額をいいます。消費税率が「8%又は10%」以外の場合等の限度額は、500万円となります。

控除額の計算方法は?

令和2年中に所有する土地に全額自己資金で長期優良住宅(床面積200㎡)を新築して、居住を開始しました。なお、本年分の所得税額は40万円です。
控除可能額は?
性能強化費用相当額45,300円 × 床面積200㎡ = 906万円
906万円 ≧ 限度額650万円➡ 650万円 × 控除率10% = 65万円
 控除可能額 65万円

居住年の控除額は?
控除可能額65万円 ≧ 所得税額40% ➡ 所得税から40万円控除居住年の翌年の控除額は?
控除可能額65万円 - 居住年の控除額40万円 = 25万円
➡ 所得税から25万円控除
2年分の控除額の合計 65万円 

すまい給付金【最大給付額50万円】

〇 年収要件を満たす住宅取得者に最大50万円を給付

消費税増税後の住宅取得にかかる負担を軽減するため、一定の年収要件等を満たす住宅取得者に対して、消費税率10%時に最大50万円を給付する「すまい給付金」が実施されています(令和3年12月入居分まで)。給付額は、収入額(都道府県民税の取得割額)に応じた給付基礎額のうち、登記上の所有権の持分割合に応じた金額となります。

給付額の計算方法(消費税率10%の場合)

給付基礎額 × 登記上の所有権の持分割合 = 実際の給付額

収入額の目安

給付基礎額

450万円以下

50万円

450万円超525万円以下

40万円

525万円超600万円以下

30万円

600万円超675万円以下

20万円

675万円超775万円以下

10万円

(注1)収入額の目安は、夫婦(妻は収入なし)及び中学生以下の子どもが2人のモデル世帯において、住宅取得する場合の夫の収入額の目安です。
(注2)収入額は、都道府県民税の取得割額で確認します。詳しくは、すまい給付金の公式HPを確認してください。

  • 主な要件

新 築 住 宅

住宅ローンで取得した場合の要件

・対象者自身が居住していること
・床面積が50㎡以上であること
・施工中に第三者機関による品質確認の検査を受けていること

上記に加えて…

自己資金で取得した場合の追加要件

・50歳以上であること
・収入額の目安が650万円以下
・フラット35Sと同等基準を満たすものであること

(注)売主が宅地建物取引業者である一定の中古住宅も給付金の対象となります。

住宅取得資金贈与の非課税特例【非課税限度額1500万円】

〇父母や祖父母から贈与を受けた住宅取得資金が非課税に

〇消費税率10%で令和3年3月までの契約は、最大1,500万円まで大幅に拡充

令和3年12月31日までに、父母や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築、取得、増改築等のための資金(住宅取得資金)の贈与を受けて住宅の取得等の契約を締結した場合には、住宅取得資金のうち、契約の締結時期及び住宅用家屋の区分、対価・費用に含まれる消費税率に応じて、それぞれに掲げる金額(非課税限度額)までについては贈与税が課税されません。

住宅用家屋の取得等にかかる契約の締結時期

①消費税率が10%である場合 ②消費税率が8%である場合等(①以外の場合すべて)

省エネ等住宅

左記以外の
住宅用家屋

省エネ等住宅

左記以外の
住宅用家屋

平成31年4月~令和2年3月

3,000万円

2,500万円

1,200万円

700万円

令和2年4月~令和3年3月

1,500万円

1,000万円

1,000万円

500万円

令和3年4月~令和3年12月

1,200万円

700万円

800万円

300万円

(注1)平成31年3月以前に契約を締結した住宅用家屋について、上記②に掲げる非課税限度額の適用を受けた人であっても、①に掲げる非課税限度額を適用できます。
(注2)省エネ等住宅とは、断熱等性能等級4以上、一次エネルギー消費量等級4以上、高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上、耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は免震建築物のいずれかに該当する住宅用家屋をいいます。

贈与税の計算方法は?

祖父から2,000万円の住宅取得資金の贈与を受けて、令和2年7月に省エネ等住宅の新築の契約をし、12月に引渡しを受け、翌年1月に居住を開始しました。なお、私は30歳で合計所得金額は500万円です。
贈与金額2,000万円 - 非課税限度額1,500万円 - 基礎控除額110万円  = 課税価格390万円
課税価格390万円 × 税率15% - 控除額10万円 = 納付税額48.5万円
(注)本特例の適用がない場合は、納付税額585.5万円

  主な適用条件は?

不動産取得税【控除額1300万円、税率4%→3%】

〇 宅地の課税標準は2分の1に減額、住宅と土地は軽減税率3%に
〇 特定の住宅とその敷地は、さらに軽減

不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得した人に対して、その「取得」について1回限りで、都道府県が課税する地方税です。不動産の「取得」には、売買による取得だけでなく、家屋の新築、増改築はもちろん、不動産の交換、贈与、寄附、及び埋立てによる土地の造成などによる取得も含まれます。

不動産を取得した場合は、原則として都道府県に不動産取得税申告書を提出しなければなりません。しかし、申告をしない場合でも都道府県から納税通知書が送られてきますから、これに基づいて納付すればよいことになります。ただし、下段以降に掲げる特例を受ける場合は、必ず申告する必要があります。なお、不動産取得税は、都道府県から送付される納税通知書に記載された期日が納期限となりますので、所得税や固定資産税と違い納期限は一定していません。

不動産取得税の計算方法

課税標準 × 税率 = 不動産取得税
  • 課税標準

土   地

宅地等

特例
固定資産税評価額×1/2
(令和3年3月31日まで)

宅地以外

固定資産税評価額

家  屋

  • 税率

土  地

特例
3%
(令和3年3月31日まで)

家   屋

住宅

住宅以外

4%

(注)相続による不動産の取得、共有物の分割による不動産の取得(分割前の持ち株割合を超え部分の取得を除く)、法人の合併又は一定の分割による不動産の取得、法人が新たに法人を設立するために現物出資を行う場合の不動産の取得など、所有権の形式的移転等の場合は非課税となります。

特定の住宅は課税標準を軽減

一定の新築住宅又は中古住宅を取得等した場合は、課税標準が軽減されます。
新築住宅の税額

〔 固定資産税評価額 - 床面積50㎡以上240㎡以下であれば(注1)控除額(注2)1,200万円 〕 × 税率3% = 税額
   令和4/3/31令和4年3月31日までに新築された認定長期優良住宅は、控除額が1,300万円に増額
(注1)戸建以外の貸家住宅は40㎡以上240㎡以下(サービス付き高齢者向け住宅は30㎡以上210㎡以下)となります。
(注2)控除額(1,200万円又は1,300万円)は、共同住宅の場合は一区画ごとに控除します。
中古住宅の税額
〔 固定資産税評価額 - 新築時期に応じた控除額 〕 × 税率3% = 税額

新築時期(注)

控除額

平成9年4月1日以後

1,200万円

平成元年4月1日~平成9年3月31日まで

1,000万円

昭和60年7月1日~平成元年3月31日まで

450万円

昭和56年7月1日~昭和60年6月30日まで

420万円

昭和51年1月1日~昭和56年6月30日まで

350万円

自己の居住用で、未居住の新築住宅以外であり、次のいずれかの要件に該当する床面積50㎡以上240㎡以下の住宅

  • 昭和57年1月1日以後新築
  • 地震に対する安全基準に適合することの証明がされたもの
  • 取得日までに耐震改修工事の申請等をし、かつ、居住日までに耐震改修工事を完了していること等の一定の要件を満たすもの

(注)昭和50年12月31日以前に新築された住宅であっても、新耐震基準に適合していることが証明された住宅については、不動産取得税が軽減されます。

特定の住宅の敷地は税額を軽減

下図の要件に該当する場合で、上記又はの住宅の敷地を取得したときは、次のAとBの金額のうち、多い方の金額を税額から控除できます。

 45,000円(150万円×3%)
 〔その土地の1㎡当たりの評価額÷2〕×〔住宅の床面積×2(200㎡が限度)〕×3%

  • 新築住宅の敷地

  • 中古住宅の敷地
  • 土地を取得した日以後に住宅を取得した場合
    土地を取得した人が、その土地を取得した日から1年以内にその土地の上にある中古住宅を取得したとき
  • 住宅を取得した後に土地を取得した場合
    土地を取得した人が、その土地を取得した日前1年の期間内にその土地の上にある中古住宅を取得していたとき

不動産取得税の計算方法は?

令和2年中に新築建売住宅(床面積95㎡、固定資産税評価額1,500万円、認定長期優良住宅)とその敷地(面積200㎡、1㎡当たり固定資産税評価額20万円)を購入しました。
〇 住宅の税額は?
( 固定資産税評価額1,500万円 ― 特別控除額1,300万円 ) × 税率3%  = 6万円

〇 土地の税額は?
( 固定資産税評価額20万円×200㎡ × 特例1/2 × 税率3% = 60万円
A:4.5万円
B:(1㎡当たり固定資産税評価額20万円×1/2)×(床面積95㎡×2)×3%=57万円
AとBのいずれか多い方の金額を税額控除 ➡ 60万円 ― 57万円 = 3万円

〇 不動産取得税の合計額は?
住宅の税額6万円 + 土地の税額3万円 = 9万円

登録免許税【税率0.4%→0.1%】

〇 住宅・土地は税率を軽減

〇 長期優良住宅・低炭素住宅の税率は、さらに軽減

登録免許税とは、登記簿や登録簿に、登記や登録をするときに納める税金です。不動産は固定資産税評価額を、住宅ローン等の抵当権の設定登記は債権金額を、それぞれ課税標準として、税率をかけて税額を計算します。なお、居住用家屋の新築又は取得や土地の売買、抵当権の設定登記には、次のような税率の軽減措置が設けられています。

本則税率

軽減税率

適用期限

①住宅の新築又は取得(所有権の保存登記)

個人の居住用家屋

0.4%

0.15%

R4.3.31

認定長期優良住宅
認定低炭素住宅

0.1%

R4.3.31

②未使用の新築住宅・中古住宅の取得(所有権の移転登記)

個人の居住用家屋

2%

0.3%

R4.3.31

一戸建ての
認定長期優良住宅

0.2%

R4.3.31

③土地の売買(所有権の移転登記)

2%

1.5%

R3.3.31

④住宅ローン等の抵当権の設定登記

0.4%

0.1%

R4.3.31

(注1)①・②・④は、自己の居住用家屋で新築又は取得後1年以内にする登記に限られます。
(注2)①・②・④は、床面積50㎡以上である住宅に限られます。
(注3)②は、取得日以前20年(耐火建築物は25年)以内に建築されたものの、地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準等に適合しているもの、既存住宅売買瑕疵担保責任保険が締結されていることのいずれかを満たす住宅を取得(売買又は競落に限る)し、取得後1年以内にする移転登記に限られます。

登録免許税の計算方法は?

令和2年中に土地を4,000万円(固定資産税評価額3,000万円)で購入し、住宅を3,000万円、認定長期優良住宅)で新築しました。購入費用の内訳は、自己資金の2,000万円と住宅ローン5,000万円です。

(土地の所有権移転登記3,000万円×1.5%)+(住宅の所有権の保存登記2,000万円×0.1%) + (住宅ローンの抵当権の設定登記5,000万円×0.1%)
= 登録免許税の合計52万円

固定資産税【税額1/2 ,課税標準1/6】

〇 長期優良住宅の税額は5年間、2分の1に減額(一般住宅は3年間)
〇 住居の敷地は課税標準が6分の1に軽減

固定資産税は、毎年1月1日現在、市町村の固定資産課税台帳に、土地、家屋又は償却資産(事業用の機械など)の所有者として登録されている人に対してかかる税金です。固定資産税は、所有者であるかぎり毎年課税され、その税額は、納税通知書に従って、原則として、年4回に分けて納付します。
固定資産税の税額は、次の算式により計算されますが、都市計画施行地内の土地及び家屋に対しては、別に都市計画税が課税され、固定資産税と併せて納付することになっています。

固定資産税の算式
課税標準(固定資産課税台帳に登録された評価額)×1.4%(標準税率)
都市計画税の算式
課税標準(固定資産課税台帳に登録された評価額)×0.3%(制限税率)

住宅の敷地は課税標準を軽減

専用の住宅用地(別荘用地を除く)のうち、1戸当たり200㎡以下の部分は、小規模住宅用地として評価額の6分の1(都市計画税は3分の1)を課税標準とします。1戸当たり200㎡を超える部分(住宅の床面積の10倍の面積が限度)は、一般住宅用地として評価額の3分の1(都市計画税は3分の2)を課税標準とします。なお、この課税標準の軽減は、土地と住宅の所有者が別人であっても適用されます。

併用住宅の敷地については、次表の居住部分(別荘部分を除く)の割合の区分に応じ、右欄に掲げる率をその土地の面積に乗じて得た面積に相当する土地が住宅用地とされます。


居住部分の割合 = 居住部分の床面積 ÷ 総床面積

居住部分の割合

住宅用地の率

専用住宅

100%

1.0

併用住宅

下記以外

25%未満

25%以上50%未満

0.5

50%以上

1.0

地上階数5階以上の耐火建築物

25%未満

25%以上50%未満

0.5

50%以上75%未満

0.75

75%以上

1.0

 

住宅用地にかかる固定資産税の計算方法は?

借地上に店舗兼住宅のビル(地上3階建、総床面積300㎡、居住部分の床面積100㎡)を所有していましたが、このほどその敷地(250㎡、1㎡当たり評価額9万円)を買い取りました。
〇 住宅用地の面積は?
居住部分の床面積100㎡ ÷ 総床面積300㎡ ≒ 居住部分の割合33.3%
➡ 住宅用地の率は0.5土地面積250㎡ × 住宅用地の率0.5 = 住宅用地の面積125㎡
➡ 住宅用地の面積が200㎡以下のため、125㎡のすべてが「小規模住宅用地」となります。〇 固定資産税の課税標準は?
(小規模住宅用地125㎡ × 1㎡当たり評価額9万円) × 住宅用地の軽減1/6
+ 住宅用地以外の面積(250㎡-125㎡) × 1㎡当たり評価額9万円
= 課税標準1,312.5万円(千円未満の端数切捨て)〇 固定資産税の税額は?
課税標準1,312.5万円 × 課税標準1.4% = 税額18万3,750円(注1)都市計画税の課税標準額は1,500万円となり、制限税率0.3%の場合の税額は45,000円になります。
(注2)商業地等の負担調整措置は考慮していません。

新築住宅は固定資産税を減額

令和4年3月31日までに新築された住宅については、新たに固定資産税が課される年度から一定期間の固定資産税を減額する特例が設けられています。対象となる家屋の固定資産税額のうち、居住用部分(又は基準住居部分)に対応する税額(床面積120㎡までの部分に限る)の2分の1に相当する金額が減額されます。

 基準住居部分とは、共同住宅等の場合に居住用として独立的に区画された一の部分でその基準住居部分が2以上ある場合は、それぞれについて120㎡までが限度。共用部分は、各戸の床面積に応じて配分
この特例の対象となる住宅には、いわゆる「セカンドハウス」も含まれます。

■ 税額軽減の対象となる新築住宅の要件

■ 減額期間

構造区分

減額期間

一般新築住宅

認定長期優良住宅

戸建住宅等(下記以外)

3年度分

5年度分

マンション等
(地上階3以上の準耐火又は耐火構造住宅)

5年度分

7年度分

新築住宅にかかる固定資産税の計算方法は?

令和2年中に戸建住宅(認定長期優良住宅、2階建て、床面積150㎡、評価額1,500万円)を新築しました。

〇 減額前の税額は?
課税標準額1,500㎡ × 標準税率1.4% = 21万円

〇 減額される税額は?
(減額前の税額21万円 × 限度面積120㎡/床面積150㎡)
× 減額割合1/2 = 8.4万円

〇 減額後の税額は?
21万円 - 8.4万円 = 12.6万円

印紙税【最大50%減】

〇 不動産の譲渡契約書と建設工事の請負契約書は、印紙税を大きく軽減

印紙税の税額は、課税文書に記載された契約金額に応じて定まります。不動産に関わる課税文書には、不動産の譲渡契約書や建設工事の請負契約書、住宅ローン等のための金銭消費賃借契約書などがあり、令和4年3月31日までに作成される不動産の譲渡契約書及び建設工事の請負契約書については、税率の軽減措置が設けられています。また、印紙税の納付は、規定の印紙を契約書に貼り、それを消印することによって終了します。

契約金額に応じた印紙税額は次の表のようになります。

契約金額

印紙税額

不動産の譲渡契約書
金銭消費貸借契約書

建設工事の請負契約書

不動産の譲渡契約書
建設工事の請負契約書
(~令4.3.31)

金銭消費貸借契約書
(本則)

1万円未満

非課税

1万円以上10万円以下

1万円以上
200万円以下

200円

200円

10万円超50万円以下

400円

50万円超
100万円以下

200万円超
300万円以下

500円

1,000円

100万円超
500万円以下

300万円超
500万円以下

1,000円

2,000円

500万円超1,000万円以下

5,000円

1万円

1,000万円超5,000万円以下

1万円

2万円

5,000万円超1億円以下

3万円

6万円

1億円超5億円以下

6万円

10万円

5億円超10億円以下

16万円

20万円

10億円超50億円以下

32万円

40万円

50億円超

48万円

60万円

契約金額の記載のないもの

200円

印紙税の計算方法は?

令和2年中に4,000万円の土地を購入し、3,000万円の注文住宅を新築しました。購入費用の内訳は、自己資金2,000万円と住宅ローン5,000万円(夫3,500万円+妻1,500万円)です。

不動産の譲渡契約書1万円 + 建設工事の請負契約書1万円
+ 金銭消費貸借契約書(夫)2万円 + 金銭消費貸借契約書(妻)2万円 = 6万円

まとめ

家を買うときの減税や、給付金をうまく活用して、お得に家を購入する際のお役に立てれば幸いです。
本記事は「株式会社倉田総合鑑定. 土地建物の税金ガイド」を参考に作成しております。

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